金蓮寺の御朱印の書き手 判治隆さん
静かな田園風景に溶け込む小さなお堂。
750年以上にわたりこの地域の人に愛され、大切に守られてきた金蓮寺弥陀堂です。
建築物では県内に3つしかない国宝の一つで、素朴で飾らないそのたたずまいを一目見ようと、東京や大阪など遠方からも多くの歴史ファンが足を運んでいます。
今、弥陀堂とともに金蓮寺の人気に一役買っているのが御朱印です。
今年2月、これまで御朱印を授けていた東松宏俊住職が急逝したことを受け、愛する地元を盛り上げたいと、判治隆さん(吉良町)が御朱印の書き手を引き継いでいます。
「知り合いに書いてもらえないかと頼まれ、地域のためにできることがあればと引き受けた。字を書くのは好きだったけど、初めの頃はやり直しが効かない緊張感で、思うように筆が進まなかったよ。」と判治さんは少し照れた表情を見せます。
試行錯誤しながら自分のペースで御朱印を書いていくうちに、40年以上続けている水彩画を生かせないかと、季節限定の御朱印を発案。
これまでに「新緑と弥陀堂」「天の川と弥陀堂」「十一面観音」の御朱印を書いてきました。
また、判治さんは地域の宝を大事にしたいと吉良町内の史跡を案内する「吉良あないびとの会」のボランティアガイドも務め、多くの人に金蓮寺の素晴らしさを伝えています。
優しいタッチで描かれる判治さんの御朱印は、見る人の心を和ませます。
謙虚で明るい判治さんの人柄が水彩画で表わされているのも、人気の秘密かもしれません。
期間限定の水彩画の御朱印は事前に書かれたものの頒布ですが、住職から引き継いだ通常版の御朱印は、来訪者一人一人にその場で授けています。
「遠方から来てくれた方に直筆の絵はがきを差し上げるのも生きがい。好きなことだから苦にならないよ。自分のペースで、できるだけ長く続けたい」と笑顔で話す判治さん。
「御本尊様の代わりに御朱印を授けさせていただいている。穏やかで飾らない人柄だった東松住職に喜んでもらえるよう、ご縁を大切に丁寧に書いていきたい」と、今日も一筆一筆に心を込めます。
【金蓮寺】
住所:西尾市吉良町饗庭七度ケ入1
電話:0563-32-2063
判治さんは不在のことがあるので、御朱印をいただきたい方は事前にご確認ください。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。